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年齢により受診頻度は異なる
人間ドックというと、ある程度の年齢になってから、1年に1回受ける・・・と思っている人が多いと思います。
若い人にとっては「まだ若い」という理由から自分事として捉えられない、逆に高齢者はすでに様々な病気を抱えているため健診ではなく治療が必要・・・
まあ言葉は悪いですが、自分に都合の良い理由で人間ドックを受診するのを避けている人も多いのでは?
また、1年に1回という受診頻度についても、すべての人に最適なものと言えるのでしょうか?
人間ドックは「より積極的に自分の健康状態をチェックし、自覚症状のない病気を早期発見する」ことが目的ですから、年齢や性別によっても受けるべき頻度・検査内容は異なります。
いたずらにフルオプション検査を受けても、費用がかかるばかりで意味がありません。
まずは自分が受けるべき頻度と検査内容をしっかりと把握しておきましょう。
様々な病気を早期発見する
では、年齢ごとにどのような検査が必要なのでしょうか?
そしてどの位の頻度で受ける必要があるのでしょうか?
さっそく、年齢別に目安となる検査項目とオススメの頻度を順番に見ていきましょう。
20代で受けるべき検査と頻度
20代といえば、大学を卒業し社会人デビュー仕立てのフレッシュなイメージがありますね。
学生だった時と比べ、生活パターンが大きく変わるため、体調を崩す人もいるようです。
とは言うものの、若い分、環境への順応性も高く、相当無理をしても僕ともしないのがこの年齢の特徴です。
ただ、ひと昔前と比べて食生活が欧米化したことにより、従来は40代以降で見られた生活習慣病が20代でも見られるようになってきました。
具体的には糖尿病、高血圧、脂質異常などが20代でも増えてきています。
こうした若年性の生活習慣病のリスクを考慮して、基本的な検査を受けることをオススメします。
人間ドックの検査項目は、生活習慣病の早期発見に十分な検査(血液検査、尿検査、呼吸器検査、上部消化器内視鏡検査など)を網羅しているので、オプションなしで受ければ十分です。
頻度は1年に1回が理想ですが、2〜3年に1回でも良いでしょう。
女性は、20代から乳がんの罹患者が増え始めますから、乳がん検診や子宮がん検診を組み合わせても良いでしょう。
30代で受けるべき検査と頻度
社会時として「脂ののりきった世代」とい選ってもいい30代。
多少の無理をしても、なんとかなってしまう年齢ではありますが、人によっては少しずつ無理が利かなくなるのもこの年代です。
このため、人間ドックなんてまだ先の話、と思う人と、そろそろ受けた方が良いかな、と思う人が出てきます。
社会人でも、中堅社員として責任ある仕事を任され、部下も持つようになる30代は、どうしてもアルコールの摂取が増える傾向にありますので、内視鏡(胃カメラ)や大腸がんの検査を受けてみても良いかもしれません。
検査としては人間ドックの項目で良いですが、頻度は2〜3年に1回で良いですが、体力の低下を意識するなら毎年受けても良いでしょう。
女性は20代以上に乳がん、子宮がんの罹患リスクが高まりますので、これらの検査を含んだ「レディースドック」がオススメです。
40代で受けるべき検査と頻度
いよいよこの年代から真剣に進言ドックを受けてみよう、を考える人が増えてきます。
体力的にも無理が利きにくくなる年齢ですし、定期的な健康診断でメタボや運動不足などを指摘され始める年齢でもあります。
この年代は、糖尿病、肝機能の低下、胃がん、大腸がんなどのリスクが一気に高くなります。
いわゆる「老化が始まる」年代であり、老化に伴う身体機能の低下を実感する人が急激に増えてきます。
この年代では、毎年人間ドックを受けるのはもちろん、日頃の生活習慣に応じて必要なオプション検査をプラスすると良いでしょう。
40代以上の男性に多い前立腺がんや女性特有の乳がん、子宮がん検診などは検査項目に含めておきましょう。
50代で受けるべき検査と頻度
50代になると、毎年人間ドックを受けている人は多いと思いますが、自分自身で気になる箇所について重点的に検査するという人もいます。
この年代は、自分自身の体調の変化もさることながら、自分の家族や会社の同年代の人が体調不良に悩むのを目にする機会が増えてきます。これにより、10年前は「まだ若いし人間ドックなんて受けなくても」と思っていた人でも「ちゃんと受けておいた方が良いかな」と思うようになります。
そういう意味からも、1年に1回の人間ドック、気になる検査をオプション追加、検査結果により次の人間ドックを待たずに特定箇所を定期的に検査するなど、より積極的に自分自身の健康管理をしていく必要があるでしょう。
年齢に合った検査を受けること
ここまで見てきたように、年齢によって、そして性別によって受けるべき検査は異なってきます。
いたずらにたくさんの検査を受ければ良いというわけではないんです。
たとえば、男性でレディースドックを受けようと思う方はいないでしょうが、20代の人がなんの自覚症状もないのに全身をくまなく検査するPET/CT検査を受けるのは、費用ばかりかかって意味がある行為とは言えません。
もちろん、医師や栄養士などの専門科でない人がほとんどでしょうから、自分にどんな検査が必要なのか分からないという人も多いでしょう。そういうときは事前に検査機関や知り合いの医師などに相談してみるのも手です。
なぜ若いうちから人間ドックを受けることを勧めるのか?
40代、50代の人は、自分自身で人間ドックの必要性が分かっているため、積極的に検査を受けようとしますが、やはり若い世代の人は「そうは言ってもまだ若いし」とか「そんなお金はないし」と思ってしまうのではないでしょうか。
若い人たちにとって、健康であることは当たり前のことであり、当選のことと思っているでしょう。
でも、なぜそう思えるのでしょうか?
健康を害すると言うことが、他人事としてしか受け止められない世代、といってしまえばそれまでですが、若くても積極的に人間ドックを受けることを、あえてオススメしたいと思います。
その理由をこれから説明していきますね。
早期発見が最大の鍵
40台を過ぎると、生活習慣病やがんなどに罹患する人が増えてくることは説明しましたね。
でも、自覚症状が出てくる前から病巣は存在します。長い年月をかけて少しずつ大きくなり、ある日なんらかの自覚症状を伴ってきます。そして医者に行き検査をすることで病気が見つかります。
こうした病気のやっかいな点は、自覚症状が出てからでは相当進行してしまっており、治療の選択肢が限られてしまうということです。早期発見できれば完治するものが、発見が遅れることで深刻な結果になるというのも珍しくありません。ですから、早めの検査が必要なんです。
自覚症状もないし、まだ若いし・・・人間ドックなんか受けても何も見つからないよ。
それでもいいじゃないですか。何もないことを確認できる、ということは無駄なことではありません。
それよりも、気付かないうちに深刻な病気が進行しているのを、検査しないことで見過ごしてしまっていることの方が大きな問題だと思いませんか?
若くても注意したい生活習慣病
学生の頃はスポーツをしていて、頻繁に体を動かしていたけれど、会社に入ってからは残業続きで、体を動かす暇がない・・・おまけに上司の付き合いで飲みに行く機会が増えた・・・
こういう人って多いのでは?
運動不足に食生活の乱れ。短期間なら問題ないかもしれませんが、こうした生活が続くと、やはり健康面に不安が出てきませんか?
こうした生活習慣の乱れから起こってくる病気を「生活習慣病」といいますが、具体的には肥満、高血圧、脂肪肝、痛風など、よく聞く名前ばかりですよね(笑)
最近は20代、30代でもこうした生活習慣病になってしまう人が増えているんです。
生活習慣病は生活習慣の乱れが原因となって起きてきますから、生活習慣(食生活・運動)を見直すことで改善する可能性があります。
人間ドックを定期的に受けることで、こうした生活習慣病の兆しが見つけられますので、それをきっかけに生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
人間ドックについて、年齢別に受けるべき検査と頻度について説明してきました。
若いうちから定期的に検査することで、わずかな変化に気付くことが出来る。
40代以降になってから受ける、でも良いのですが、できればより積極的に若いうちから人間ドックを受けてみませんか?
なお、実際に人間ドックを受けるとどんなことが分かるのか、以下の記事にまとめていますので参考にしてください。
【参考記事】
人間ドックを受けると、何が分かるの?