人間ドックを定期的に受けることで、日頃から自分自身の健康管理をするのはとても大切なことです。
でも、人間ドックは健康診断の範疇なので、費用は全額自己負担。
毎年のことなので、少しでも安く出来たら良いな・・・なんて考えてしまいますよね。
人間ドックを少しでも安く受ける方法について、以下の記事にまとめましたので参考にしてみてくださいね。
【参考記事】
人間ドックにかかる費用は? 補助金は受けられる?
コチラでは、人間ドックの金額そのものを下げるのとは別に、税金の還付(医療費控除)が可能なのかについて説明していきますね。
この記事の目次
医療費控除とは?
医療費控除とは、病気やケガをして、その治療に年間トータルで支払った医療費が一定金額を超えた場合に、申告することで税金が安くなる制度です。
病気やケガをした際に支払った費用といっても、何でもかんでもすべてが医療費控除の対象になるかというと、そうではありません。対象となるものと対象とならないものがありますので注意が必要です。
では、何が対象で、何が多少でないのか、簡単に紹介しますね。
医療費控除の対象となるもの
医療費控除の対象となるのは、医師による診療または治療にかかる費用、またその治療・療養に必要な医薬品の購入費用、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師による施術の費用などが代表的なものとなります。
より詳細につきましては、国税庁のHPに詳しく載っていますので参考にしてみてくださいね。
意外に見落とされがちなのは、病院に通院する際の交通費も控除対象となります。
例えば、足の骨を折ってしまい、徒歩での通院が困難なためタクシーを利用した場合、タクシー代は医療費控除対象となります。ですから領収書は忘れずにもらっておきましょう。
医療費控除の対象にならないもの
健康維持のためのビタミン、ミネラルなどのサプリメントの購入費用、健康診断にかかった費用などは控除対象にはなりません。また、通院に自家用車を使用した場合、そのガソリン代は控除対象に出来ません。
ガソリン代だって通院に必要な交通費だろう、とも思いますが、明確に通院の交通費としての分のみガソリン代を算出することは現実的には困難なため、ということなのでしょうね。
人間ドックは医療費控除対象となるのか?
さて、ここからが本題です。
人間ドックにかかった費用は、医療費控除の対象になるのでしょうか?
人間ドックは健康診断の範疇なので、医療費控除の対象にはならないでしょう・・・そう思いますよね。
基本的には人間ドックの費用は、医療費控除の対象外です。
ですが、ある条件を満たす場合には医療費控除の対象に出来るんです。
では、どんな場合に人間ドックを医療費控除の対象に出来るのでしょうか?
人間ドックが医療費控除の対象になる場合とは
人間ドックの結果、重大な疾病が発見され、引き続き治療が必要となり実際に治療した場合には、人間ドックを「治療に先立って行われる診療と同様」と考えることが出来、医療費控除の対象となります。
ここで「重大な疾病が発見され」という、なにやらファジーな表現が出てきましたね(笑)
検査の結果につきましてはすべてが明確に白黒つけられるものばかりではありませんので、どうしてもこうした曖昧な表現になってしまうんですね。
とはいうものの、もう少しはっきりした区別が出来ないものでしょうか・・・
人間ドックの結果に「異常なし」とか「要経過観察」などという言葉が記載されています。これは「判定」というもので、各検査項目をいくつかの分類に区分する役割を果たしています。
この区分で、人間ドックが医療費控除の対象になるかならないかが分かります。
判定が「要治療・通院」「要再検査」「要精密検査」となっていたら、医療費控除の対象になると考えられます。
ただし、再検査、精密検査を行った結果、異常なしと判断された場合には医療費控除の対象とはなりませんのでご注意くださいね。
これに対し、判定が「要経過観察」となっていた場合には、残念ながら医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除には確定申告が必要
人間ドックで異常が見つかり、引き続き治療・通院が必要になった場合、1年間(1月1日〜12月31日)にあなたが支払った医療費用が一定額(10万円)を超えた場合には、税務署に申告することで支払った医療費の一部が還付金としてあなたに返還されます。
この手続きには確定申告が必要となります。
もしもあなたが一般企業にお勤めの場合、確定申告なんてあまり馴染みがないかもしれませんね。
詳細につきましては国税庁のHPをご参照ください。
確定申告の際には、医療費の支払いの際の確証として領収書類の提出が必要でしたが、平成29年分から領収書の提出が不要になりました。代わりに「医療費控除の明細書」を作成し資料として添付します。
領収書類は提出しなくて良くなりましたが、申告後5年間は保存の義務がありますので捨てたりせずに保存しておきましょう。
まとめ
今回は医療費控除について説明しました。
まとめると、医療費控除と言ってもなんでもかんでも控除対象になるわけではないこと、人間ドックにかかる費用は原則控除対象外ですが重大な疾病が見つかり引き続き治療した場合には医療費控除対象となること、医療費控除を受けるには確定申告が必要なことを説明させていただきました。
こうした制度を上手に利用することで、自己負担をさらに少なくすることが出来ますので、今回の記事を参考しにしてみてくださいね。