人間ドックを受ける目的は、定期的な検査で自分の健康状態をチェックし、何かあれば早めに処置することです。
人間誰しも、体調不良になれば自分が病気かもしれない、と気付くため自ら医者に行きますが、自覚症状がなく進行していく病気の場合、それを知る手立てがありません。
このため1年に1回、自分の体を徹底的に検査し、自分でも気付かない病気の芽があればいち早く見つけ、適切な処置を施す・・・そのための検査が人間ドックです。
では、人間ドックを受けることでどんなことが分かるのでしょうか?
この記事の目次
兆候をいち早く見つける
細かいところまでは分からない
まず、人間ドックは健康診断に比べ検査項目数が多く、発見できる病気も多いですが、それぞれの検査は精密検査というわけではありません。
このため、細かいところまで詳細に分かるわけではありませんので、その辺は誤解しないでくださいね。
人間ドックにより分かるのは「病気の疑い」です。
検査の結果、何らかの疑いがある場合には再検査や精密検査に進みます。それにより必要な処置を明確にし、適切な処置をすることが出来るのです。
具体的に分かること
具体的には、以下の疑いが分かります。
・生活習慣病:糖尿病・動脈硬化・脂肪肝・痛風など
・内臓疾患:心臓・肝臓・膵臓・胆嚢・腎臓・泌尿器系など
・がん:胃がん・肺がん・大腸がん・婦人科系のがんなど
・その他:眼科系疾患・難聴・関節リウマチ・性病(梅毒)など
主な検査と分かること
それぞれの病気の疑いは、どのような検査で分かるのでしょうか?
人間ドックの検査項目と、その検査により分かることを簡単に以下に紹介しますね。
こちらで紹介する検査項目は、一般的な検査項目です。ここに挙げていない検査項目も含まれる施設もあると思いますが、それらにつきましてはご自身で調べてみてくださいね。
また、オプション検査につきましてもコチラでは紹介していませんのであしからず。
問診・身体測定・診察
まず、医師による問診と診察で、受診者の現在の様子を知ります。これはけっこう重要で、このあと行われる検査の参考になります。たとえば問診で何らかの自覚症状がある場合、関連する検査項目により注意する等です。
診察では、聴診器により肺・心臓を、触診で腹部の臓器の様子を調べます。
また、女性の希望者には視診と触診による乳がん検査も行います。しこりなど疑わしい所見が合った場合、さらに詳しい検査を勧められます。
一般的な人間ドックには婦人科系の検査項目は多く含まれませんので、オプションでレディースドックを追加すると、より良いでしょう。
身体測定では身長・体重により肥満度の測定を、視力検査により近視・遠視・乱視などの可能性を、聴力検査により難聴の有無と程度を調べます。
血液検査・血圧測定
血液の検査では、様々なことが分かります。最近では血液の検査で各種がんの疑いがわかる腫瘍マーカー検査などもあり、受診者の負担を最小限に多くのことが分かるようになってきています(腫瘍マーカーは一般の人間ドックの検査項目には含まれませんが、オプションで簡単に検査できます)
血液検査で分かるのは、貧血の疑い、コレステロール量から高脂血症や動脈硬化の疑い、肝機能検査、血糖値より糖尿病の疑いなどが分かります。これらの疑いがある場合、さらに精密な検査を勧められます。
また、血圧測定では高血圧症の有無などが分かります。
心電図
不整脈や虚血性心疾患などの有無が分かります。
胸部レントゲン
肺をレントゲン撮影することで、肺がんや肺結核、肺炎・気管支炎などの肺の炎症などが分かります。
検査の結果、何らかの疾患が疑われる場合には、胸部CT、気管支内視鏡検査、腫瘍マーカーなど精密な検査をすることで、より明確なことが分かります。
胃部レントゲン
胃にバリウムを流し込んで、その状態を見ることで、胃の形、大きさ、粘膜の動き・状態などが分かります。
検査の結果、何らかの疾患が疑われる場合には、胃内視鏡検査をして原因を調べます。
最近は一般の人間ドックの検査項目に、胃部レントゲンではなく最初から胃内視鏡検査を組み込んでいる施設も増えてきています。
尿・便検査
これらの検査は、私たち日本人は子供の頃から慣れ親しんでいますよね(笑)
でも、尿検査では腎臓疾患の疑い、便検査では胃がんや大腸がんなど消化器系疾患の疑いがわかりますので、馬鹿には出来ません。これらの検査は事前に自宅で採取したものを人間ドックの当日に持参します。
検査の結果、何らかの疑いがある場合には、より精密な検査を勧められます。
特に便潜血が認められる場合、大腸内視鏡検査を受けることで、大腸内のポリープやがんなどの有無が分かります。
多くの検査は当日結果が分かる
多岐にわたる検査をするのに、そのほとんどの検査については当日に結果が分かってしまいます。
すべての検査が終わると、ほとんど待たずに結果を教えてもらえます(もちろん、結果が出るまでに時間がかかる検査につきましては当日説明はありません)
これは、検査がコンピューター処理されているため、結果までが非常に短時間で分かるのです。
特に、最近は人間ドックの施設が尿や血液の検査機関を併設している場合も多く、これらの検査についてもほとんどが当日結果説明を受けられます。
検査結果については、誤診や見落としの無いよう、複数の医師や検査技師によるダブルチェックを行っている施設が多いため、安心です。
検査を受けた当日に、ほとんどの結果が分かりますが、時間がかかる検査項目を合わせた正式な結果は、後日自宅に郵送されます(2〜3週間程度)
後日施設に出向くことで、すべての検査結果について直接医師から説明を受けることも可能です。
まとめ
人間ドックを受けることで、かなり多くの疾患について、その疑いが分かります。
疑いのあるものは、再検査や精密検査でさらに詳細を調べます。
それにより、自覚症状のない早期の病気の芽についても見つけることが可能となります。
やはり定期的に人間ドックを受けておくことは大切なんですね。
なお、年齢ごとのオススメ検査などをまとめた以下の記事も参考にしてくださいね。
【参考記事】
人間ドックを受ける頻度と検査内容は? 年齢ごとの目安
【参考記事】
人間ドック予約サイト「ここカラダ」で実際に予約してみた!