検査の種類

人間ドックだけでは不十分?各種オプション検査の賢い選択方法

40歳を過ぎたら人間ドックは定期的に受けておいた方が良い。

なんてことを、あなたも一度や二度は耳にされていることと思います。
人間ドックは健康診断の範疇に入るものですが、検査項目の数が圧倒的に違います。
健康診断は医師からの問診・診察を含めてもせいぜい15項目程度ですが、人間ドックは各種オプション検査などを追加していけば最大100項目を超える検査が可能です。

人間ドックと健康診断の違いにつきましては、以下の記事に詳しく説明しましたので参考にしてくださいね。

【参考記事】
人間ドックって本当に必要?健康診断と何が違うの?

検査項目数も多く、体の隅々までしっかりと検査できそうな気がしますが、それは各種オプションをふんだんに追加した場合。
通常の人間ドックではそこまで詳細な情報は得られません。
そこのところ、勘違いされている方も多いと思いますので、今回はしっかりと説明していきますね。

スタンダードな人間ドックだけでは十分とは言えない

まず最初に、スタンダードな人間ドックで分かることと分からないことを明確にしておきましょう。
もし、スタンダードな人間ドックであなたの知りたい情報がすべて得られるのであれば、なにもいたずらに検査項目を追加する必要はありません。ご自身で最適な検査項目を知る意味でも、まずは何が分かって何が分からないのかを見ていきましょう。

スタンダードな人間ドックでわかること

 

スタンダードな人間ドックの検査項目を見ていきましょう。

身体測定

身長・体重。肥満度・BMI・胸囲などを測定します。
これにより、平均的な日本人の身体状況との比較、毎年定期的に受けることで自分の身体の状況変化が分かります。
特に際立った理由もなく急激に体重が増えたり減ったりした場合、その原因を突き止めるための検査を追加で受ける必要が出てくることもあります(検査を受けた期間で医師の問診の際にご相談ください)

血圧測定

血圧を測り、最高血圧・最低血圧を知ることで、心臓系の疾患(狭心症・心筋梗塞)のリスクを調べます。

心電図

心臓周辺と手首・足首にプローブ(接触子)を装着し、心拍数、脈動の変化を測定します。
これにより、心臓系疾患(不整脈・狭心症・心筋梗塞など)のリスクを知ることができます。
心電図検査の結果、何らかの異常が認められた場合には、二次検査(精密検査)を受けて症状の詳細を調べます(二次検査は後日、検査結果が出てからになります)

眼科検査

眼科系の検査(視力検査、眼底検査、眼圧検査など)を行います。
これら検査により緑内障をはじめとした各種眼科疾患のリスクを知ることができます。

聴力検査

防音ルームに入り、密閉型のヘッドフォンを装着します。
左右の耳に数種類の周波数の音を聞かせ、どの程度聞こえるかを調べます。
これにより、難聴などの状態を知ることができます。

呼吸機能検査

チューブのようなものを口にくわえ、思い切り吸い込んだ息を一気に吐き出し、その状況を記録します。
これにより、肺活量や肺機能の状態を知ることができます。

胸部X線検査(胸部レントゲン)

胸部をレントゲン撮影します。
これにより、肺疾患(肺炎、肺がん、肺結核など)のリスクを知ることができます。
レントゲン撮影した画像に影が映るなどの異常が認められた場合には、胸部CT検査などの精密検査を奨められることもあります。

上部消化管X線(胃レントゲン)

バリウムを飲み、その流れていく様子や胃にたまった状態をさまざまな角度からレントゲン撮影します。
これにより、上部消化管(食道・胃・十二指腸など)の潰瘍やがんのリスクを知ることができます。
もし何らかの異常が見つかった場合は、二次検査(精密検査)として胃内視鏡(胃カメラ)検査をします(二次検査は後日結果が出てからとなります)

腹部超音波(腹部エコー)検査

検査台(ベッド)に横になり、おなか全体にローションを塗った上でプローブ(接触子)を滑らせながら腹部全体の様子を観察します。
これにより、肝臓・脾臓・胆のう・膵臓・腎臓・腹部大動脈の腫瘍・結石などの有無を調べます。

血液検査

人間ドックの血液検査では、数多くの検査を実施するため試験管に3本(検査内容によりさらに多く)の血液を採取します。
血液検査により、肝炎などの肝機能、慢性腎臓病などの腎機能、尿酸値(痛風など)、脂質異常症、糖尿病、貧血、ウィルス感染など、とても多くの項目を知ることができます。

尿検査(検尿)

人間ドック当日の朝に採取した尿を持参し検査してもらいます。
これにより、腎機能、肝機能、糖代謝などの以上有無を知ることができます。

便検査(便潜血検査)

検査前の異なった2日分の便を採取し人間ドック当日に持参し検査してもらいます。
便検査で分かるのは、便に潜血反応(血が混じっているかどうか)を調べることにより、おもに大腸ポリープや大腸がんのリスクを知ることができます。
便に潜血反応が出た場合は、後日精密検査として大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を実施します。

問診・診察

医師と会話し気になる自覚症状の有無や健康状態について相談します。
また、聴診器による診察を行うことにより胸部の異常、腹部触診などによる異常の発見なども可能です。

ざっくりとですが、スタンダードな人間ドックで行われる検査項目について説明しました。

スタンダードな人間ドックだけでは判らないこと

では、スタンダードな人間ドックだけでは分からないこととは、どんなものでしょう?
代表的なものをいくつかピックアップして紹介していきますね。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

通常の人間ドックでは、バリウムによる胃検査が一般的ですが、バリウムによる検査で何か異常が見つかった場合、精密検査として胃カメラによる検査を行います。
このため、最初から胃カメラで検査してしまえ、ということで通常の人間ドックに胃カメラ検査を導入している受診機関も増えてきています。
あくまで受診者の選択とはなりますが、私は個人的には最初から胃カメラによる検査をしてしまった方が良いと思っています。
最近では鼻からカメラを挿入することで、口から入れる胃カメラに比べ格段に楽に検査できるようになってきています。
だったら最初から胃カメラでしっかりと調べてもらった方が良いと思いませんか?

【参考記事】
胃検診|バリウム、内視鏡、ABC検査、どれを選ぶべき?

婦人科系疾患

乳がんや子宮がんなどに代表される病気の検査は、通常の人間ドックには含まれないことが多いです。
受診機関によっては、女性用メニューとして通常の人間ドックにマンモグラフィや乳腺エコー(いずれも乳がん検査)、子宮頸部細胞診(子宮頸がん検査)を追加したコースを設定しているところも増えてきていますが、通常は自分の意思で追加しない限り、検査項目には含まれません。

PSA(前立腺がん検査)

男性特有の疾患として、前立腺疾患が挙げられますが、中でも怖いのは前立腺がんです。
PSA検査って、聞き慣れないかもしれませんが、男性にとってはとても重要な検査ですので、40代以降になったら受診すると良いでしょう。
PSA検査は血液検査ですので、非常に簡単です。
血液中に含まれる前立腺特有のタンパク質である「PSA」を測定することで、前立腺肥大や前立腺がんのリスクを知ることができます。

C型肝炎検査

肝炎(B型、C型)は感染者が日本国内に210万〜280万人いると推定されている病気です。
そのうち約3割は自分が感染していることに気づいていないともいわれています。
C型肝炎の検査そのものは血液検査となりますので、別段受診者の負担になるようなことはありませんので、まだ受けたことのない方は一度検査を受けておくことをお勧めします。

頭部MRI/MRA検査(脳血管疾患の検査)

人間ドックさえ受けていれば、オールマイティ、全身くまなく検査できると思い込んでいる人も(少なくはなってきていますが)結構います。
しかし残念ながら、スタンダードな人間ドックでは、首から上の検査は一つも行いません。
このため日本人の四大死因の一つである「脳血管疾患」に関しては、ほぼノーガード状態なんですね。
ですから、人間ドックに脳のMRIやMRA検査を追加すると良いでしょう。
最近では人間ドック+脳ドックというように、最初からセットになったコースを設定している検査機関も増えてきていますし、最新のMRI/MRA装置を導入している検査機関も増えてきていますから、そういう機関を利用するのも良いでしょう。

脳ドックについては、以下の記事に詳しく説明していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。

【参考記事】
知っておきたい脳ドックの検査内容について

胸部CT(肺がん検査)

通常の震源ドックでは胸部X線(胸部レントゲン)検査で肺がんのリスクを調べますが、たった1枚の画像でしかも1方向からの撮影ですから、小さな病変の発見や見つけにくい場所などがどうしても出てきます。
そういう意味では、人間ドックだけでなくもっと積極的に肺がん検診などを受けてみることも重要です。

心疾患関連の検査(冠動脈CT、心臓MRI、胸部エコー)

心疾患については、人間ドックでは心電図による検査を行います。
ただし、安静時の心電図のみですから、何らかの症状が不定期に現れる場合などは検出できないケースもあります。
心疾患による死亡は国内で2番目に多い、そういう意味では誰にでも罹患する可能性のある病気と言えますので、自覚症状のある方はもちろん、自覚症状がなくてもある程度の年齢になったら受けてみることをお勧めします。

冠動脈CT、心臓MRI、胸部エコーなど、検査の種類は多くあり、検査機関によって対応できる検査にも違いがあると思いますので、まずは心臓ドックを受けると良いと思います。人間ドックと合わせて受けることも可能ですので、対応できる検査施設を探してみると良いですよ。

心臓ドックについては、以下の記事に詳しく説明していますので、是非とも参考にしてください。

【参考記事】
50歳を過ぎたら受けておきたい心臓ドック

ブライダルチェック

ブライダルチェックって、男性にとってはほとんど聞いたことのない言葉ですよね。
女性でも知らない人がいるくらい、普及という意味ではまだまだこれからの検査です。
ブライダルチェックとは、これから結婚を控えている女性を対象とした婦人科検診のことで、妊娠や出産に影響を与える可能性のある病気の有無を結婚前にしっかりと調べておきましょうというものです。
人間ドックの検査項目には、もちろん含まれませんし、オプションでもブライダルチェックが選べる施設はレディースクリニックでも一部、というのが現状です。
通常は人間ドックとは別に、婦人科に行って調べてもらうというのが一般的と言えますが、注意点は人間ドックの検査項目と被る検査は敢えて受けなくても良いので医師と相談して検査項目を決めるようにしましょう。

PET検査(全身の早期がん検査)

最新の画像診断装置であるPET/CT、MR-PETなどを用いて全身の早期がんをスクリーニング検査します。
検査装置が非常に高価なもののため、検査自体も高額です。
全身の早期がん(1cm前後)のものまで発見が可能なため、早期治療に移れ、治癒の可能性が高くなります。
金額的に高価ではありますが、それだけの効果も期待できる検査ですので、ご自身の健康への投資と考えて定期的に受ける人も増えてきています。

最新の動向として、MR-PET検査について説明していますので、参考にしてみてくださいね。

【参考記事】
最新の全身がん検査「MR-PET」とは?

まとめ

以上、スタンダードな人間ドックで判ることと判らないことを紹介してきました。

人間ドックとひと言で言っても、その検査項目はさまざまです。
また、通常の人間ドックだけでは調べることのできない病気もたくさんあるということがお分かりいただけたかと思います。
ご自身の日頃の生活習慣(暴飲暴食、ストレス、喫煙、運動不足など)と年齢から、人間ドックにオプション検査を上手にプラスすることで、よりあなたに適した検査となることでしょう。

ご自身の健康はご自身でしか守れません。
是非とも積極的に人間ドックを受けるようにしてくださいね。

【参考記事】
人間ドック予約サイト「ここカラダ」で実際に予約してみた!

 

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